デング熱の潜伏期間
デングウイルスが原因で起こる感染症であるデング熱は、いわゆる熱帯病の一つとされてきました。
デングウイルスに感染すると、ウイルスはネッタイシマカやヒトスジシマカによって媒介され、3日〜14日間の潜伏期間を経てデング熱の症状が現れます。
デング熱の初期症状
デング熱の初期症状としては、突然の発熱、頭痛、筋肉痛・関節痛、嘔吐、下痢、はしかのような発疹などが挙げられます。
40℃以上の高熱が出ることもよくあります。
発疹が現れるのは、デング熱患者全体の50%〜80%程度になります。
毛細血管が破れることで、口や鼻から少量の出血があったり、点状出血がみられる場合もあります。初期症状は2日〜7日程度続き、高熱から回復した後に重症化する事例も少なくありません。
重症化した場合の症状は、消化器からの出血、胸腹水症、低血圧症、臓器障害などで、デング熱患者の約5%に「デングショック症候群」と呼ばれる循環性ショックや、「デング出血熱」と呼ばれる出血が起こります。
デングウイルスは、現在4つの型が確認されており、異なる型に続けて感染すると重症化や合併症のリスクが高くなります。
子どもは大人に比べて症状は軽いですが、重症化のリスクは大人より高めです。
また、性別では、女性のほうが男性よりも重症化しやすい傾向がみられます。
デング熱の後遺症
デング熱の回復期を迎えると、激しいかゆみや心拍の遅れ(徐脈)、斑丘疹などの症状が現れる場合があります。
水分過負荷状態になるため、てんかん、意識レベルの低下、脳浮腫などが起こるケースも確認されています。
デング熱は、発症から1週間ほどで熱が下がり回復に向かいますが、回復した後も、数週間疲労感が続きます。
しかし、後遺症が残ることはほとんどありません。